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平成16年11月15日

新潟県 電子自治体構築セミナー2004 講演録(1)

新潟県IT&ITS推進協議会 地域情報化委員会 
総合満足度:満足16%、まあまあ満足48%、普通33%、少し不満3%、不満0%

1.主催者代表あいさつ(新潟県総合政策部副部長 斎田英司)

セミナー開催に先立ち、今回の中越地震に被災し亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々のお見舞いを申し上げる。
県としましては、地元市町村と一体となりましてこの災害の復旧・復興に全力を傾けているところである。一日も早く復興の槌音が聞こえるように頑張っていきたいと思う。
現在、各種イベントが中止になっている中で、今回の開催についてもいろいろと検討したが、元気を出すという意味合いを込めて予定どおり開催することとした。

本県の電子自治体への取組も緒に就いているところであるが、更に一層県民サービスが進展するような展開が期待されているところである。そういった意味で今回のセミナーがその一助になればと思っているので、どうか最後までご拝聴いただきたい。

2.第一部 基調講演「電子自治体と官民連携による地域発展」
   講師:須藤修 氏 (東京大学大学院情報学環教授)

最初に、今回の震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げる。
写真:須藤教授の講演
今後、災害への対応面からもユビキタス環境を国土全体に整備する意義・必要性は高まってくるものと思う。

※プロジェクタにより以下の項目について説明
■今後のネット社会とユビキタス市場の方向性について
・ネットワークのブロードバンド化とともにインターネット接続機器の多様化、また、ネットワークインフラの多様化が進展する。
・「One To One Marketing」即ち、インターネットを使って顧客情報をデータベース化し、パーソナライズ化された商品を供給できるようになる。
・グローバルな規模での情報量の増大はグローバルな規模での物流の増大を招く。即ち、空港の整備・高規格道路の整備やITS等交通ネットワークの高度化が推進される。
■国際的見地からの電子政府・電子自治体の取組状況について
■EA(Enterprise Architecture)の機能・役割について
■自治体のレガシーシステムの再構築と汎用機のダウンサイズ化について
■電子政府・電子自治体のベンチマークについて

・「BPR」・・・組織改革、効率向上、人員再配置
・「Quality of Service」・・・ワンストップサービス
・「地域振興」・・・PSO(Public Service Outsourcing)
・「民主主義の進化」・・・NPOなどの積極的活用
・いずれは電子政府・電子自治体から「電子地域コミュニティ」へ進化させるべきである。 
■地域ポータルにおける「官」と「民」の役割分担について
・NPOが地域ポータルサイトの担い手として産・官・民・学の結節点の役割を担い、行政は立ち上げの際の財政的な面を担う。
■セキュリティと認証について
・電子ネットワーク社会の本格的展開にはセキュリティの確保が不可欠である。
   
電子自治体は、みんながもっと参画して新しい地域づくりを行うための基盤になるものである。皆さんからはどうか頑張っていただきたいと祈念して私の話を終わりたい。
ご静聴どうもありがとうございました。

3.第二部 特別講演「電子自治体の目指すもの」
   講師:牧慎太郎 氏 (総務省自治行政局自治政策課情報政策企画官)

この度の地震災害からの一日も早い復興をご祈念申し上げてから私の講演を始めさせていただきた写真:牧企画官の講演い。

今日は「電子自治体の目指すもの」として、総務省が取り組んでいる施策をご紹介したいと思う。

※プロジェクタにより以下の項目について説明
■電子自治体の進捗状況について
・9割の自治体で庁内LANを整備済み。一人1台パソコンも進んでいる。
・LGWAN(総合行政ネットワーク)は今年3月までに全ての地方公共団体を接続した。
・住民基本台帳ネットワークは一昨年8月に稼働。昨年8月に住基カードの交付が開始された。
・公的個人認証(JPKI)サービスが今年1月から開始された。
・オンライン申請に係る受付システム等の整備は、47都道府県のうち、今年度末までに37団体、来年度末までに44団体で導入予定。
・個人情報保護条例は全国市区町村の8割強、全都道府県で制定済み(新潟県内市町村は全団体で制定済み)。
・情報セキュリティポリシーは全国市区町村の8割弱、全都道府県で策定済み。
■共同アウトソーシングの概要
・電子自治体の目標として次の3つが上げられる。
①住民サービスの質的向上
②地方公共団体における経費削減と業務改革
③IT関連地場産業をはじめとする新需要創出
この目標達成に向けて、共同アウトソーシングは、全国約3,000の自治体が落ちこぼれることなく電子自治体化を進めていくに当たっての非常に有効なツールであると考えている。
■電子自治体システムの共同化に向けた取組状況
・現在、都道府県を中心に市町村と共同で共同化に向けた取組を行っている団体は、全国47都道府県中45団体で、協議会等が設置又は設置予定となっている。また、そのうちの6団体で共同運用が開始されている。(H16.8月末時点)
・共同アウトソーシングを進めるに当たっては、徹底的な業務の突き合わせが必要。業務の効率化を図った上でシステム化することが重要。電子自治体化は業務改革のきっかけになるものである。
■公的個人認証サービスについて
・世界最高水準の暗号技術を用いて構築された。住民基本台帳システムと連動しており、電子証明書の有効期間は3年間で、発行手数料は500円。24時間に1回最新の情報に更新される。
・公的個人認証サービスの対象手続としては、国税庁の電子申告・納税や厚生労働省の社会保険関係手続がある。地方公共団体においても、住民票の写しや納税証明書の交付が始められつつある。
・本サービスは、個人情報のセキュリティにも資するものと認識いただきたい。
■eデモクラシーについて
・住民はお客様ではなく、行政をつくる参加主体である。電子自治体が次に目指すのは、”おまかせ民主主義”と”要求型民主主義”から脱却した住民参加型行政である。 
・ICTを活用して地方行政への住民参画を促進する必要がある。そのためには、議会など従来からの民意反映のチャンネルとの補完関係の整理や建設的な民意形成に向けたeデモクラシーのルール作りが重要となる。
・今後の地域経済やコミュニティの活性化に向けて、総務省では、ICTを活用した地域通貨の導入、普及が有効であると考えている。

これからは、何でも行政ではなく、地域のコミュニティの中で、安心・安全情報等も含めて共有していくことが重要になっていくと思う。   
どうもありがとうございました。
写真:講演の様子
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