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電子自治体フォーラム2002

 国による電子政府の実現に向けた具体的な展開に歩調を合わせ、県内市町村においても行政事務の効率化・高度化や住民サービス向上のためのIT活用施策が推し進められています。今回のフォーラムでは、『IT活用による行政サービス』をテーマに、その最新動向と今後の課題について “住民の視点に立った電子自治体の構築” の観点を重視しながら理解を深めることを目的に開催しました。
日 時 :平成14年 9月 3日(火) 10:30〜16:00
場 所 :新潟ユニゾンプラザ 多目的ホール(新潟市上所2-2-2)
フォーラムの総合満足度
<概要>
第1部 講演「地方自治体におけるICカード活用の最新動向」
写真−受付風景写真−第1部講演の様子
講師:渡邊 昇治 氏(経済産業省 商務情報政策局 情報政策課課長補佐)
1.ICカードをめぐる政策の変遷
・地域カード/保健医療カードは、現在、全国17団体(市町村)で導入されている。また、50ヶ所を超える地域でICカードのモデル事業を行っている。しかし、ICカード用のリーダー/ライターの設置場所が少ないことやICカードにデータを入力する手間がかかる等の不評が出ている。
・住民基本台帳ネットワークの稼動に伴い、来年夏以降に希望住民にICカードを交付する予定である。
・健康保険証のカード化については、資格誤認の解消等のため、世帯制の被保険者証を個人カード化が可能となっており、ICカードを採用する動きが出ている。介護保険証のICカード化も検討されている。
・電子政府・電子自治体を推進する上で、公的個人認証基盤とICカードが重要なものとなってきている。
・IT装備都市研究事業は、全国21地域で組合健保証、国民健保証、診察券等について実施された。また、IT City構想は、IT装備都市研究事業の次の展開として、ITカードのアプリケーションの拡充や広域データセンターによるICカードシステムの普及を目指している。
・公的連携ICカードは、e-Japan重点計画に基づき、行政機関が発行するICカードに関して基本スペックを策定されており、実証実験を経て、体制が整った地域から順次普及する予定である。
2.民間部門におけるICカードの普及
・JR東日本−非接触型のICカードを採用。600万枚をICカード化している(2001年〜)。
・ETC−全国733ヶ所の料金所で利用可能だが、思ったほど利用が進んでいない。
・運転免許証−欧州諸国を中心にISOで運転免許証のICカード化を議論
・通信−NTTがテレフォンカードのICカード化を実施。ICカードを携帯電話、PC、情報家電などの機械類(本物認証)にも有効ではないかということで、検討されている。
・金融−向こう7年間で銀行、クレジットそれぞれ3億枚をICカードへ転換予定。仕様はEMV仕様(接触型)。
3.地域の事例紹介
自治体でICカードを発行し、住民票申請等や銀行での口座振替で使用している例や、国保の保険証としてのICカード発行と、企業の社員向け保険証のICカードをそれぞれ発行し、医療機関で両方のICカードを認証できるようにしている例などを紹介した。
4.まとめ
・ICカードは、利便性、安全性、経済性の高いアクセスキーであり、ICカードの配布は地域の情報化にとって重要な事項である。課題として、仕様の標準化、マルチアプリケーション化のルール、券面のデザイン等をあげられた。
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第2部 講演「電子自治体の最新動向 〜地域の特性を活かした電子自治体の構築」
茶谷 達雄 氏(都市情報システム研究所長)
電子自治体は、電子政府との一体性の確保、地域特性を活かした行政の展開、高度情報通信ネットワーク社会への対応、行政改革の推進の面を持つ四面体である。特に、地域特性を活かした行政の展開として、住民サービスの意識改革が必要であり、インターネットの積極的利用による、窓口のパラダイム転換が必要だと述べた。また、事例として、以下を紹介した。
・横須賀市、下関市−実際に電子入札システムを導入し、市内業者の受注率を高めた。
・神奈川県大和市−ICカードにより情報の共有化から行動の共有化を図った。
・置腸広域病院組合−電子カルテを活用した広域医療連携システム
・福岡県飯塚市−産官学民連携によるWeb GISの開発を行った。
・会津若松市−地域教育研修基盤システムの開発を行った。
最後に職員の意識改革として、縦割意識を廃し住民の視点から総合化を図る窓口のパラダイム転換を行うこと、IT時代にふさわしいスピード感覚の育成、情報リテラシーの向上等をあげられた。
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第3部 パネルディスカッション「IT活用による行政サービスの課題」
写真−パネルディスカッションの様子写真−イベントの様子
コーディネータ
山口 直人 氏(新潟国際情報大学情報システム学科助教授)
パネリスト:
茶谷 達雄 氏(都市情報システム研究所長)
西岡 誠治 氏((財)日本建設情報総合センター CALS/EC部 次長)
坂野 達郎 氏(東京工業大学助教授)
島野 哲幸 氏(浜松市企画部情報政策課 計画グループ長)
<パネリストの自己紹介>
西岡 誠治 氏((財)日本建設情報総合センター CALS/EC部 次長)
地方公共団体における電子入札の導入支援として、電子入札の必要性と電子入札コアシステムについて紹介した。電子入札コアシステムは、日本建設情報総合センター(JACIC)と港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)で設立された電子入札コアシステム開発コンソーシアムで開発されたものであり、希望する公共発注機関に有償で提供している。
問合せ先:電子入札コアシステム開発コンソーシアム事務局 (TEL:03-3505-0478,FAX:03-3505-2550)
坂野 達郎 氏(東京工業大学助教授)
情報通信技術の変化に伴い、それらが、都市形態や自治体に及ぼす影響について説明された。
島野 哲幸 氏(浜松市企画部情報政策課 計画グループ長)
浜松市の情報化について、浜松市地域情報センター、市民窓口センター、広域行政サービスをそれぞれ紹介した。また、はままつ@窓口という、平成12年度に作成した「窓口事務マニュアル」をもとに構築した、市役所の申請・届出等の手続を分かりやすく案内するための仕組みを紹介した。
<パネルディスカッション>
山口コーディネータから各パネリストの専門分野について、さらに深く掘り下げた意見交換が行われた。
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