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5.6.2  今後のウェブサイトの活用

 市町村が今後どのようにウェブサイトを活用していこうと考えているか尋ねた。その結果を以下の10の項目に分けて示す。それぞれの項目ごとに件数を示してあるが、1つの市町村で、複数の活用方法を記述している場合があるので、件数の合計は回答のあった市町村の数より多い。なお、回答した市町村名が特定されるような記述部分には○○と記した。

(1)住民対象の情報を中心に情報提供(28件)
●住民サービスの窓口として活用していきたい
●市民が行政サービスや行政情報等求めるときのひとつの窓口として、ワンストップ・ノンストップのウェブサイトを活用していきたいと考えている
●住民情報をできるだけ多く発信していきたい
その他同等意見25件
(2)合併に伴い移行あり(18件)
●市町村合併により、○○市のシステムへ移行するので、回答できない
●市町村合併後は、「支所ページ」として存続する
その他同等意見16件
(3)速報性を生かした情報(災害情報等)提供(15件)
●災害時などに緊急な情報を伝えるツールとしての活用
●映像とあわせて、避難勧告等の災害情報を提供できるようにしたい
その他同等意見13件
(4)分かりやすくアクセシブルなサイト構築(12件)
●ユーザビリティ・アクセシビリティの更なる追求及び配慮、かつJIS規格に対応したウェブサイトの維持向上
●これまで以上にウェブアクセシビリティに配慮する
その他同等意見10件
(5)住民相互によるコミュニティサイト化(11件)
●情報提供および住民相互によるコミュニケーション広場
●アクセス者からの広範な意見を聞くことが可能な双方向性の形にしていきたい
その他同等意見9件
(6)電子申請・電子予約・電子会議化(8件)
●電子申請・手続システム等の構築
●オンラインの行政施設予約
その他同等意見6件
(7)外部向け情報(観光情報等)を中心に情報発信(6件)
●最終的には観光についての動画配信ができればと考えています
●現在、HPは郡外又は県外の人に当町の情報を発信するためのもっとも重要な広報媒体といっても過言ではない。来年から○○4町村が合併し○○町となるが、この新しい町の情報を漏れることなく掲載し、見る人の知りたい情報を漏らすことなく伝えていきたい。
その他同等意見4件
(8)様々な面での情報発信ツールとして(6件)
●住民のみなさん、○○町に関心のある人たちへの情報提供手段の1つとして活用
●住民のみでなく、すべての方々に○○町の現在の状況をわかり易く周知できるようなホームページ作成を標榜する
その他同等意見4件
(9)コンテンツマネジメントシステムの導入(4件)
●コンテンツマネジメントシステムの導入により、それぞれの部署で簡単にページ作成を行えるようにしたい
その他同等意見3件
(10)携帯電話への対応(2件)
●既存のホームページをリニューアルして、ウェブアクセシビリティ等にも配慮した○○町のポータルサイト的なものにしたい。その際には携帯サイトも意識したものとし、広く普及している携帯への対応も考えたい
その他同等意見1件

 今回の調査は、平成の大合併が進行している最中に行っており、合併後のウェブサイトの活用について現時点では回答できないという答えが多かった。しかし、大体の傾向としては、対外的な情報発信より住民に向けてのサービスを提供するためにウェブサイトを利用することに力点が置かれていることが分かる。殊に最近のウェブ関連技術の進歩を反映して、住民相互によるコミュニティサイト化、電子申請・電子予約・電子会議化等の新しい試みを検討している市町村が少なくない。いよいよ、情報化の対象が市町村役場から住民全体にシフトして来たという印象を受ける。これにより、例えば双方向性のあるウェブサイトのアクセシビリティを確保する方法など、さらなるアクセシビリティ確保の努力が必要になろう。
 また、コンテンツ作成・更新の効率化を図るため、コンテンツマネジメントシステム(CMS)の導入も検討され始めている。CMSはウェブページを作成する作業を容易にし、しかも部署を越えて一貫したデザインのサイトを構築する効果をもたらすが、残念ながら、アクセシビリティに配慮したCMSの製品はまだ少ない。ウェブアクセシビリティに関するJIS規格の中には、『ウェブコンテンツの情報アクセシビリティが容易に維持されるよう企画・制作しなければならない』という項目があり、その例として、ウェブコンテンツを自動的に生成するプログラムには、アクセス可能なウェブコンテンツを生成する機能を装備する必要があるとされている。市町村でCMSを導入する際には、この点に十分配慮し、生成されるウェブページがアクセシビリティを確保したものになることを確認した上で導入していただきたい。
 携帯電話への対応という回答は、2件と少数であったが、インターネット端末としての携帯電話の重要性は今後増して行くと考えられる。殊に災害時などには、常時持ち歩いている携帯電話で必要な情報が入手できることは重要である。是非多くの市町村で携帯電話向けコンテンツの製作を行い、携帯電話の特徴を生かした新しい情報発信の手法を開発していただきたい。

5.6.3  特色のある活用方法

 今後の活用方法の参考のために、現行のウェブサイトで特色のある情報や活用方法を市町村に尋ねた。その結果を次に示す。なお、回答した市町村名が特定されるような記述部分には○○と記した。

●各家庭から利用できるものとしては、生涯学習や健康づくりのためのビデオ映像を見ることができる「ビデオ・ライブラリー」、大学の講座をビデオ配信する「eランニング」、災害状況や避難所情報・備蓄情報を提供し、災害時には掲示板を利用して安否情報などが交換できる「防災情報」、中央図書館で所蔵している貴重な資料を公開している「ネット・ミュージアム」、市内の観光施設や歴史史跡などを動画や画像表示で紹介する「○○まちめぐりミュージアム」などを進めている。
●マイページ登録、安全・防災情報メール(マイページ登録者でメール配信希望者)、防災情報メール(マイページ登録者でメール配信希望者)、災害対応用トップページ
●ゴミの分別、捨て方の検索システム、花火の動画、施設予約、生涯学習システム、BBS市長交際費の公開、市長への手紙を公開。
●トップページに市政提案コーナーを設置し、市民の声を市政に反映されるようにしている。
●トップページの見やすい位置に時事的な写真と記事をのせたり、季節を感じさせるライブカメラの映像をのせている。文字が多いページ構成の中、印象的に残る写真をのせることで、市の宣伝を行っている。
●市民電子会議室
●サークルの掲示板・・・町内の団体それぞれ専用に設けた掲示板で、PCでも携帯端末でも閲覧・投稿ができます。
●「ごみ分別検索システム」の提供
●市民から、コンテンツを発信、提供できる機能(バーチャル住民登録)、携帯電話等への一斉メール、コンテンツの更新をプッシュ型でお知らせする、お知らせメール配信
●これまで町で開催してきた景観再発見写真コンテストの歴代入賞作品を電子化し、電子ギャラリーを設けて、地元のすばらしい景観を公開している。
●「○○View ギャラリー」・・・○○町の現在の状況などを掲載。特に使用目的を限定せず、その時々にあわせていろいろなものを掲載していく。
●観光地図情報
●各課からの情報を企画課で一元管理することにより、細かい事項も含め、真に村民の必要とする情報をタイムリーに提供している。
●夕日の映像をライブカメラで撮って、ウェブサイトで紹介している。
●英語版ホームページ及びGISデータを利用した地図情報システムのページの開設。
●スキー場情報画像、定住総合サイト
●国の名勝天然記念物「○○○」地内に2台のライブカメラを設置して、生の映像を配信しています。また、○○町に伝わる民話を画像と音声で聞くことができるようになっています。

 これらの回答を見ると、それぞれの市町村でウェブサイトに色々な工夫を凝らし、住民に対して積極的な働きかけを行っていこうという姿勢が伺える。今後も、様々な工夫を凝らし、市町村が運営するウェブサイトの可能性を広げて行っていただきたい。
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