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5.2  ウェブアクセシビリティの状況

5.2.1  問題点項目

 ウェブヘルパーでレベル「A」の点検項目(優先度1の点検項目)は26個あり、そのうち何れかの市町村で問題があるとされた項目は、半数の13個である。市町村別で見た場合、レベル「A」の点検項目での問題箇所の数は、最も多い市町村で749個、平均値は39個である。点検項目のうち、問題箇所の数が多いものを表5.1に示す。

表5.1主な問題点項目
ウェブヘルパーの問題点項目 問題箇所数 比率
1.1.1 画像の代わりとなるテキストが用意されていません 2746 88%
7.1.1 画面の明滅する機能が使用されています 112 4%
1.1.10 スクリプトの代わりとなるテキストが用意されていません 102 3%
12.1.1 各フレームにタイトルが用意されていません 57 2%
その他 95 3%
合計 3112 100%

 「画像の代わりとなるテキストが用意されていません」という項目の問題箇所は全市町村のウェブサイトから2746個抽出された。その比率は88%と、非常に大きな割合を占めている。この項目の問題は、読み上げツールなどでアクセスしている際、画像が表現している内容が伝わらないことである。この問題の修正方法については補遺Cを参照していただきたいが、基本的には画像の代わりとなる代替テキストを付ける作業になる。
 この問題は、数が多く、しかも日々のウェブサイト更新作業において画像も変更されるので持続的な対処が必要になる。ウェブサイト更新時には、テキストエディタではなくウェブページ作成用のソフトを使用する場合が多いと考えられるので、ウェブサイト更新者は、そのようなソフトを使用して画像の代替テキストを入力する方法を習得し、代替テキストを付けることが望まれる。また、既に表示させてある画像に代替テキストを付ける作業は、レイアウトやデザインに影響を及ぼさないので、比較的簡単に行うことができるが、ウェブヘルパー5,8)に付随する「ALTエディタ」のような、ウェブページに含まれる全ての画像を表示してそれらの代替テキストを編集するソフトを使うと、作業を効率的に行うことができるので、このようなソフトの活用も検討すべきであろう。
 「画面の明滅する機能が使用されています」という問題項目に該当する箇所は全体で112(4%)あった。画面の明滅や、明暗の急激な切り替わりをきっかけに、光過敏性てんかんのある人が発作を起こす場合があるので、この問題は必ず修正すべきである。多くの場合は、明滅する画像やオブジェクトを明滅しないものに変更する作業となる。デザイン担当者は強調箇所を明滅以外の方法で処理することを検討されたい。
 「スクリプトの代わりとなるテキストが用意されていません」という問題項目に該当する箇所は全体で102あった。この問題があると、スクリプトを利用できない環境にある人にはスクリプトによる情報が伝達できない。修正方法については、補遺Cを参照していただきたい。
 「各フレームにタイトルが用意されていません」という問題項目に該当する箇所は全体で57(2%)あった。この問題があると、読み上げツールなどを使用している場合に、どちらのフレームを読むべきなのか判断する情報が得られない。修正方法については、補遺Cを参照していただきたいが、問題箇所は極僅かであり、一度修正を行えば済んでしまう。
 本調査の時点で、4市町村がレベル「A」を満たしているが、仮に上記4つの問題点項目を全ての市町村がクリアしたとすれば、48市町村(62%)がレベル「A」を満たす。県内市町村のウェブサイト担当者には、まずはこの4つの問題点項目をクリアすることによって、役所の担当者が比較的簡単に修正を行うことができる。その他3つの問題項目については、ウェブページのデザインを行った業者に依頼して一度修正を行えば、次回のデザイン変更まで修正の必要は無いであろう。
 ウェブヘルパーには各問題点に関する詳細説明を提示する機能があるので、上記項目について引用したものを補遺Cにまとめた。ウェブサイト担当者がこれらの修正を行うときに参考にしていただきたい。

5.2.2  各市町村の問題点個数

 各市町村のウェブサイトを評価する際、問題点の個数だけでは情報量の多いウェブサイトが不利になるため、ここではトップページの問題点個数とトップページを記述しているHTMLファイルの容量との比をとり、1kbyte当りの問題点個数を評価値とする。この単位容量当りの問題点個数の最大値は93.6個/kbyte、最小値は0.0個/kbyte、平均値は4.3個/kbyteであった。しかし、この値は、1市町村だけが突出しており、2番目の値は8.9個/kbyteであり、突出した1市町村を除けば、平均値は2.2個/kbyteとなる。
 図5.7はその評価値の度数分布を表したものである。この値が2個/kbyte未満の市町村数は61で全市町村の78%に当たる。これらの市町村は数少ない修正でレベル「A」の達成が期待される。



図5.7 HTMLファイル単位容量当り問題点個数の度数分布

5.2.3  ウェブアクセシビリティレベル

 レベル「A」を満たした市町村の割合を図5.8に示す。前述のHTMLファイル単位容量当り問題点個数から、レベル「A」に極めて近いウェブサイトも少なくないが、1個も問題点が無くレベル「A」を満たす市町村となると、わずか4(5%)であり、昨年度の3市町村(3%)に比べて若干増加しただけである。

図5.8 ウェブアクセシビリティレベル

 レベル「A」を満たした市町村の割合の推移を図5.9に示す。この図を見ると、平成13年度には、レベル「A」を満たした市町村が一つも無く0%であったのが、平成14年度には、3市町村(3%)になり、さらに平成16年度には4市町村(5%)に増えている。徐々にではあるが、新潟県内市町村のウェブアクセシビリティに改善の兆しが見られる。


図5.9 ウェブアクセシビリティの推移
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