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5.6  市町村ウェブサイトの活用

5.6.1  中越大震災に際してのウェブサイトの活用

 平成16年10月の中越大震災に際して各市町村がウェブサイトをどのように活用したか尋ねた。その結果を以下の9つの項目に分けて示す。それぞれの項目ごとに件数を示してあるが、1つの市町村で、複数の活用方法を記述している場合があるので、件数の合計は回答のあった市町村の数より多い。なお、回答した市町村名が特定されるような記述部分には○○と記した。

(1)市町村内の被災状況・対応に関する情報発信(51件)
●市内の被災状況に関する情報発信
●ウェブサイトのトップページを震災用に変更、情報を随時提供した
●市内の震度、被害状況についての情報提供(実質的被害はほとんどなし)
●市の対応の公開、生活情報
●新着情報に市内状況を逐次更新した
●市内公共施設等の被害状況の情報提供
その他同等内容45件
(2)被災者登録検索システムへのリンク(17件)
●安否情報確認システムの案内
●被災者登録検索システム(IAAシステム)へのリンク
その他同等内容14件
(3)ボランティア・支援物資・義援金等受付の告知(14件)
●災害救援ボランティアの募集・状況などを伝えるために活用
●ホームページで義援金や救援物資、ボランティア募集について呼びかけた
●救援物資・ボランティア・被災者支援などに関する情報をほぼリアルタイムで発信した
その他同等内容11件
(4)県や他機関の震災情報へのリンク(10件)
●県や被災市町村などにリンクできるよう設定
●新潟県、消防本部ほか関係機関のリンク設定
その他同等内容8件
(5)支援状況に関する情報発信(8件)
●被災地へ当市からの支援状況を情報発信
●○○市の被災地支援に関する広報
その他同等内容6件
(6)観光客等向け情報発信(4件)
●風評被害防止の情報等を掲載した
●イベント中止等の情報提供
その他同等内容2件
(7)交通機関に関する情報発信(3件)
(8)避難場所・避難勧告等に関する情報発信(2件)
(9)安否確認・情報交換の場として活用(2件)

 中越大震災の際、被災地への電話が繋がりづらくなり、知人の安否確認、被災状況の確認、ボランティア情報の入手、支援物資に関する情報入手等のために、ウェブは非常に重用な役割を果たした。特に、刻々と変化する被災地の状況に適時に対応するためには、マスコミによる情報発信より、市町村や被災地のボランティアセンターから直接インターネットへ発信することが重要である。
 上記の回答を見ると、多くの市町村がウェブサイトを震災に対応させ、“随時”や“逐次”または“ほぼリアルタイムに”情報発信を行っており、災害時におけるウェブサイトによる情報発信の重要性を十分に認識し、的確に対応を行っていたことが分かる。また、マスコミではなかなか取り上げられない“実質的な被害がほとんど無い”という情報w発信したという回答もあり、情報戦略の重要性も浸透していることが伺える。
 知人の安否を直接電話で確認することができないとき、インターネット上の被災者登録検索システム(IAAシステム)が重要な働きをするが、県からの要請で各市町村のウェブサイトがこのシステムへのリンクをつけたことは画期的であった。知人の安否を知りたいとき、手がかりを探すためにアクセスするのは、その人が住んでいる市町村のウェブサイトである可能性が高いため、被災者登録検索システムへのリンクがあれば、それが有効に使われるであろう。
 各市町村では、今回の震災の経験を生かし、自市町村で災害があった場合にどのようにウェブサイトを運営するか、また近隣市町村が災害に遭ったときにはどうするか、普段から検討し、迅速に対応できる体制を整えていただきたい。特に災害時における携帯電話はパーソナル端末として有効であることから、災害情報等を提供する携帯電話対応コンテンツの充実が望まれる。また、災害時には障害者・高齢者のみならず外国人に対する配慮も必要となる。

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