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５． 調査結果及び考察
５．１ ウェブサイトの状況
５．１．１ 開設率
本調査を行った平成16年度末は、平成の大合併が進行している只中であり、新潟県内の市町村数が減少しつつあったが、調査時点での市町村数は79であった。この中で山古志村のウェブページだけが公開されていなかったが、これは昨年10月の中越大震災により村民全員が避難生活をしているために、それまで開設されていたウェブページが一時的に非公開になっているためである。従って、調査時点でのウェブサイトの開設率は100％である。図5.1に平成13年度からの開設率の推移を示す。開設率は年々増加し、平成16年度でついに新潟県内全市町村がウェブページを開設した。これから益々ウェブサイトの活用が盛んになると予想され、より一層のウェブアクセシビリティの確保が望まれる。
図5.1 新潟県内市町村ウェブサイト開設率
５．１．２ トップページのファイルサイズ
トップページのファイルサイズについて測定した結果を図5.2に示す。同図には比較のため、平成14年度と15年度の調査結果も併記した。ここでは全ファイルサイズの他に、それを構成するHTMLファイル及び画像や音声などのメディアファイルのサイズについても測定し、同図はその平均値を表す。
図5.2 トップページのファイルサイズ（平均値）
トップページの全ファイルについて、そのサイズの最大値は381kbyte、最小値16kbyte、平均値は129kbyteである。昨年度（H15年度）の平均値は131kbyteであったから、前年度比1.5%の減少であり、全ファイルサイズに昨年との変化は無い。ただ、昨年度よりHTMLファイルの比率が増加しており、より多くのHTMLやスクリプト言語を使って表示に工夫を凝らしていることが伺える。
また、全ファイルサイズの度数分布を図5.3に示す。50以上100kbyte未満が29市町村と最も多いが、300kbyte以上が5市町村ある。この値が大きいほど、いわゆる重いサイトといわれ、アクセスに時間がかかる。ただ、昨年度の最大値は2070kbyteであったが、本年度はそのように極端なサイズのトップページは無く、ファイルサイズにも配慮がなされてきていることが分かる。
図5.3 トップページの全ファイルサイズの度数分布
次にトップページを記述しているHTMLファイルを見ると、そのサイズの最大値は311kbyte、最小値は1kbyte、平均値は30kbyteである。なお、フレームの場合はトップページを構成するすべてのHTMLファイルのサイズ総計を表す。昨年度の平均値は18kbyteであったので、前年度比67％の増加となった（図5.2参照）。
また、その度数分布を図5.4に示す。10以上20未満が30市町村と最も多い。
図5.4 トップページのHTMLファイルサイズの度数分布
画像や音などのメディアファイルを見ると、そのサイズの最大値は363kbyte、最小値は2kbyte、平均値は99kbyteである。昨年度の平均値は112kbyteであったので、前年度比12％の減少である（図5.2参照）。これは、メディアファイルの圧縮技術や使いやすいウェブページに対する理解が深まったためであると考えられる。
さらにメディアファイル比率（＝メディアファイル÷全ファイルサイズ×100［％］）を求め、その度数分布を図5.5に示す。
図5.5 メディアファイル比率の度数分布
メディアファイル比率が70％以上占める市町村数は56（全体の72％）であるが、昨年度はこの値が83％であったので、図5.2の結果と同様、メディアファイルの使用に自制が掛かって来ているものと推測される。メディアファイルを多用することで、華やかな印象のデザインを作成することができるが、本来伝達すべき情報としてのメディアファイルの役割は比較的小さく、サイズの割には情報量が少ない点は一考すべきである。また、全盲の方が用いる読み上げソフトに配慮し、適切な文字情報を補うことも忘れてはならない。
５．１．３ トップページのフレーム使用
フレームの使用率を図5.6に示す。同図には比較のために平成14年度と15年度の調査結果も併記した。フレームを使用している市町村数は28で、全体の36％を占めている。この値は最近3年間であまり変化が無い。フレームにより、全盲の方が使用している読み上げソフトが使用しにくく、情報に辿り着くことが困難な場合が生じる。フレームの安易な導入は一考すべきであろう。
図5.6 フレーム使用率
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