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3. 点検ツールによるウェブアクセシビリティ調査方法

3.1  トップページのサイズ調査

 まず、各市町村ウェブサイトのトップページのサイズを測定した。これはアクセス時に表示されるまでに要する時間やディスク使用量などに関係する量である。測定手順を次に示す。
(1) 新潟県庁サイトにある市町村リンク6)から対象の市町村のウェブサイトにアクセスする
(2) トップページを作業用フォルダに保存した後、各種メディアファイルも含めたトップページ全体のファイルサイズ(単位:kbyte)ならびにhtmlファイルの名前とファイルサイズ(単位:kbyte)を求め、Web点検シート(補遺A参照)に記入する


3.2  ウェブアクセシビリティ改善支援システム「ウェブヘルパー」とは

 総務省情報通信政策局では、平成13年度及び平成14年度に高齢者、障害者等が利用しやすいホームページの普及に向けた支援システムの実証実験7)を行った。この実験においてウェブアクセシビリティ点検・修正システム「ウェブヘルパー」8)が開発された。本システムは、ウェブに関する技術開発と標準化に取り組んでいる国際的学術団体World Wide Web Consortium9)が勧告したWeb Content Accessibility Guidelines 1.0(WCAG1.0)10)およびTechniques For Accessibility Evaluation And Repair Tools11)をもとにウェブページの自動点検を行うものである。なお、WCAG1.0は英語表記を想定した指針であるため、日本語には適さない部分を見直し、日本語に適した基準に改良してある。
 各点検項目には、アクセシビリティ確保の重要性に応じた3段階の優先度がある。それらに対応する点検レベルは「A」、「ダブルA」、「トリプルA」と表現され、レベル「A」はコンテンツ制作者が満たさねばならない点検項目(*)をチェックする。点検項目の詳細については8)のサイトを参照のこと。
 ウェブヘルパーはあくまでアクセシビリティ点検のための“補助ツール”であり、自動点検には限界がある。また、本システムはHTMLとcompact-HTMLに対応しており、XHTMLやXMLについては部分的にしか対応できない。従って、ウェブヘルパーを使った本調査はこの制限内での結果であることをご理解願いたい。


3.3  ウェブヘルパーによる点検の方法

 本調査では、ウェブヘルパーを用いて各市町村のウェブサイトのトップページを点検した。点検手順を次に示す。
(1)ウェブヘルパーのウィンドウで、点検対象として上記3.1(2)で保存した市町村トップページのhtmlファイル(フレームの場合、フレームセットを記述しているhtmlファイル)を指定し、点検レベルを「A」として点検する
(2)ウェブヘルパーは点検後、自動点検で発見された問題点には「×」マークを、利用者による確認が必要な箇所には「?」マークをつけて表示する。「?」マークの箇所については、その内容を確認し、システムの「確認の問い合わせ」に回答する。するとその項目の評価は「○」あるいは「×」に変更される
(3)すべての「?」マークについて評価されたら、「×」マークのついた問題項目番号とその個数をWeb点検シート(補遺A参照)に記入する
(4)フレームの場合は、フレームセットを記述しているページだけでなく、トップページを構成しているすべてのフレームについて同様な点検を行う
(5)レベル「A」を満足したサイトについては、点検レベルを「トリプルA」に設定して再点検する。この場合は、「×」マークのついた項目の個数は記入せず、満たしたレベルのみを記入する

 上記の手順で記入されたWeb点検シートのデータは、計算表ソフトのデータシートに転記し、集計を行い、ウェブサイト開設率、ファイルサイズの度数分布、メディアファイル比率の度数分布、ウェブヘルパーにより抽出された問題点の項目別個数、及びレベル「A」を満足した市町村数などの結果を得た。




(*)点検項目には1~3の優先度が付けられており、レベル「A」の点検項目は優先度1である。
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